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鉄道と旅行と日々のことがらの日記

鉄道と旅行と日々の出来事で思ったこと考えたことを書いています。

映画 コンカッション を見ました。

映画「コンカッション」を見ました。

 

アメリカで現実にあった、そして今も進行している内容を取り扱った社会派ドラマです。

主演は、ウィル・スミス。

主人公の名は「ベネット・オマル」

彼はアフリカのナイジェリアから夢と希望を抱いてアメリカに渡ってきた優秀な医師。職業は検死官。遺体の検死解剖をして死因を調査する仕事をしている。

 

 ある日、一人の遺体の検死解剖に立ち会ったことから、オマル医師の人生が大きく変わり始めた。

 その遺体はかつてNFLアメリカンフットボールで偉大な活躍をした選手だった。

 晩年は激しい頭痛や幻聴などを訴えて奇行を繰り返し、家族にも見放され、車の中で変死したという。不審な死因に疑問を感じたオマル医師は、調査を続けるうちに、重大な生命に関わる新事実を発見した。

 

 その新事実とは「慢性外傷性脳症」(CTE)。

  

 フットボールで頭をぶつけ合うショックは100G以上だそうだ。 この激しいタックルを受け続けると、「脳震とう」で神経障害が連鎖して起こり、キラータンパク質とよばれる物質が脳内に増え続け、脳少しずつ精神を蝕んでいく。このままにしておくと今後も多くの選手の命を奪うことになるという。映画の題名である「コンカッション」とは「脳震とう」を意味している。

 

 オマル医師はこの事実を医学誌に論文として発表し警鐘を鳴らした。

 

 しかし、この事実が公表されたことは、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ: National Football League)から見れば、自分たちの組織の根幹を揺るがしかねないことだった。NFLは直ちにこの論文を否定し、自らが持つ絶大な権力でオマル医師に論文を撤回をするように締め付け、オマル医師のキャリアを潰そうとする。

 しかし、オマル医師は自分の信念を曲げようとしなかった。

 

 NFLは頑なに「脳震とうの影響はない」と主張するも、次々と自らの命を絶つ元スター選手達。

 

 そんな中、オマル医師は、NFLの元チームドクターからの接触があった。この問題について深く悩み苦しんでいたこの医師の協力を得て、オマル医師は、NFL側に真実を認めさせ、選手たちの生命を守るために一歩も譲らずに戦うという内容です。

 

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 主人公のオマル医師がこの事実を最初に発見し論文として発表した時には、彼の「科学者の真理を追求したいという欲求」が満たされた瞬間だったと思います。これで選手たちは命を救われ、自分も認められてアメリカ市民の一員になれると喜びにあふれていたはずです。それは、映画の中では、オマル医師が妻となる人と出会い、結婚して新しい家での新生活を始めようとしていた情景からも感じ取れます。

 でも、この公表でNFLからさまざまな圧力を受けて大きな壁にぶち当たります。彼は精神的に追い詰められ孤独感を深めました。そんな状況に陥ったら心折れて、誰しも自分の主義主張を引っ込めてしまいますね。

 

 しかし、彼には救いの手が差し伸べられました。真実の持つ力を信じる不屈の男の姿に共感し、協力を惜しまない人が現れました。見ていた私にとっても救われた思いがしました。

 これによって彼は再び立ち上がることができたのですが、この試練のおかげで彼は人間的に成長でき、人の役に立てたのかなとも考えます。この試練は彼にとって決して無駄なものではありませんでした。

 

 ところで、振り返って考えると、オマル医師の事実公表を知ったNFL本部がもし違う対応を取ったならどのように結果が変わっただろうなとも考えました。

オマル医師はアメリカンフットボール自体を敵視したのではありません。

しかし、NFL本部がこの公表を否定的にとらえ、オマル医師を敵とみなし、事実を隠蔽しようとしたことから、この映画の中であったように様々な事件が引き起こされました。

その後も、引退した元選手たちは脳の障害から次々に命を落とし、NFL本部の有力幹部であった元有名スター選手までもが、精神に異常をきたして自殺を遂げています。事実を直視し誠実に取り組まなかったことで、最初はほんの小さなことが、雪だるま式に大きくなっていきました。現在も元NFL選手側がNFL本部を相手に裁判をしていると聞きます。

 

 公表時点で、この問題を肯定的にとらえ、NFL本体がオマル医師を取り込んで、真摯に問題解決に進めば結果は変わったかもしれません。引退した元選手たちの生命を救うプログラムも考え出されたはずです。また、選手達のために安全な試合運営に変更したり、安全なプロテクターの開発が早く進められていたかもしれません。さらにはNFL本部がこのように悪者扱いされなくても済んだのです。

 

 私たちはどうしても、自分たちと違う考えや自分の利益に反する考えがあると、反発したり、無視したりしてしまいます。目先のことにとらわれず、何が本当に大切なことなのかよく判断しないといけないと、改めて考えさせられました。

 

 さらにこの映画を見て、アメリカにおいては、移民に対する偏見や差別がいまだに残っているんだなと感じさせられました。

 それは、職場内での他の同僚から浴びせられるオマル医師に対する見下した発言や、調査委員会においてオマル医師は発言権が認められないだけでなく、出席さえできないという情景からも見て取れます。

 

 反面、この映画がアメリカでよく公開できたなあと思います。

実在する巨大な利益集団が相手なのですから、様々な障害があったはずです。

その障害を乗り越えても、映画を発表できるという、アメリカという国の懐の深さには感心します。

 

 この映画は、主人公と巨大組織との対決という構図が本流なのですが、こまかい点を見て行くと、アメリカのさまざまな実情も見て取れ、日本とは違うアメリカの社会を実感できる映画だったと思います。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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